5. 放射線被ばくってなに?
放射線を体に浴びることを「放射線被ばく」といいます。
5-1 外部被ばくと内部被ばくの違い
- 放射性物質などの放射線の発生源(線源)が、体の外にあり、体外から放射線を受けることを「外部被ばく」といいます。
- 一方、放射性物質が体の中に入ってしまった場合、体の中に放射線源があるので、体内で被ばくすることになります。これを「内部被ばく」といいます。
環境省ホームページ:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(令和4年度版)」
https://www.env.go.jp/chemi/rhm/r4kisoshiryo/r4kiso-02-01-01.html
5-2 外部被ばく
外部被ばくでは
- α線は透過力が弱く表皮で止まってしまうので影響を及ぼすことはありません。
- β線を出す放射性物質が大量に体表面に付着し、長く放置された場合には、まれに皮膚が赤色に変化する皮膚紅斑や脱毛等が起こることがあります。
- 外部被ばくで問題になるのは、体の内部まで影響を及ぼす、γ線を出す放射性物質によるものです。
環境省ホームページ:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(令和4年度版)」
https://www.env.go.jp/chemi/rhm/r4kisoshiryo/r4kiso-02-01-03.html
5-3 内部被ばく
放射線の透過力と影響の範囲
外部被ばくの影響範囲は、5-2で説明した通りですが、内部被ばくでは、
- α線、β線、γ線を放出する全ての放射性物質が体内の細胞に影響を及ぼす可能性があります。
- α線の場合は、飛ぶ距離から考えても、その影響は放射性物質が存在する組織内に限定されますが、生物への影響力は強く、内部被ばくに関しては特に気を付ける必要があります。
- γ線の場合は、飛ぶ距離が長いため、全身に影響を及ぼす可能性があります。
環境省ホームページ:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(令和4年度版)」
https://www.env.go.jp/chemi/rhm/r4kisoshiryo/r4kiso-01-03-10.html
内部被ばくと放射性物質の蓄積
体に取り込まれた放射性物質は体内で放射線を放出します。放射性物質の種類によっては、特定の臓器に蓄積することがあります。これは放射性物質の化学的性質によるものです。
- ストロンチウムはカルシウムに似た性質があり、体内に入ると、骨などのカルシウムのある所に蓄積する性質があります。
- セシウムはカリウムに似た性質があり、体内に入ると全身に分布する性質があります。
- ヨウ素は甲状腺ホルモンの構成元素なので、放射性ヨウ素も安定ヨウ素も、甲状腺に蓄積する性質があります。
環境省ホームページ:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(令和4年度版)」
https://www.env.go.jp/chemi/rhm/r4kisoshiryo/r4kiso-02-01-04.html