3.地熱発電
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- 3.地熱発電
- 地熱発電は、発電時にCO2を排出せず、燃料費もかからず、天候などの自然条件に左右されない安定性の高い電源です。
- 地熱資源に恵まれた日本では貴重な国産エネルギーであり、発電に使用した熱水がハウス栽培などに利用できるなど、地域経済へのメリットもあります。
3-1 地熱発電の仕組み
地熱発電は、地表から地下深部に浸透した雨水等が地球内部の熱(地熱)によって加熱され、高温の熱水として貯えられている地熱貯留層から、坑井により地上に熱水・蒸気を取り出しタービンを回して電気を起こす発電方式です。
- 「生産井」から取り出された蒸気・熱水は「気水分離器」で蒸気と熱水に分けられて、蒸気は発電に使われ、熱水は「還元井」を通して再び地下へ戻されます。
- 発電に使われた後の蒸気は復水器で水に戻り、冷却水として利用され、余剰な冷却水は「還元井」から地下へと戻されます。
- このサイクルを繰り返すことで、持続的な発電が可能となっています。
主要国における地熱資源量及び地熱発電設備容量
- 地熱が目に見えない地下資源であり、開発にかかるリスクやコストが高いこと。
- 地熱資源が北海道や東北、九州など火山地帯にかたよって存在しており、適した地域が限られていること。
- 地熱を利用することで温泉資源への影響を心配する地元の声があること。
などがあげられます。
出典:資源エネルギー庁ホームページ「地熱エネルギーの宝庫・東北エリアで見る、地熱発電の現場(前編)」、「もっと知りたい!エネルギー基本計画④ 再生可能エネルギー(4)豊富な資源をもとに開発が加速する地熱発電」より作成
3-2 地熱発電の見通し
貴重な国産エネルギーとして導入拡大が期待されていますが、課題も多くあります。
課題
- 地熱開発は、地熱貯留層を探し当てて実際に発電にいたるまでに、およそ10年という長い期間がかかる。
- 資源は地下深くにあるため、掘削調査をしても、蒸気や熱水を確実に掘り当てることができるとはかぎらない。
- 井戸を1本掘るのに数億円の費用が必要。
新たな技術開発への取組み
- 開発リスクやコスト低減のために、熱水や水蒸気の有無、地層の状態といった地下構造の探査技術の向上。
- 発電所の運転開始後に十分な蒸気量が維持できるよう人工的に水を注入する技術(人工涵養)の開発。
- 革新的な「超臨界地熱発電技術(注5)」の開発(注6)。
(注5):従来よりもさらに地下深く、マグマに近い部分にある超臨界状態の熱水資源(温度、圧力により「超臨界状態」、つまり液体と気体の区別がつかなくなっている水)を活用することで、これまでよりも大規模な発電が可能になります。
(注6):超臨界地熱資源は、超高温・超高圧であることに加え、酸性濃度が高いといった特徴があり、井戸やタービンなど設備の腐食対策技術、大深度の掘削技術の開発が必要となります。
革新的地熱発電技術の開発 *Enhanced Geothermal Systems(地熱増産システム)
地熱発電の更なる導入拡大に向けて、超臨界地熱発電や高温岩体地熱発電等の技術開発を実施
出典:資源エネルギー庁ホームページ「クリーンエネルギー戦略中間整理」、「もっと知りたい!エネルギー基本計画C 再生可能エネルギー(4)豊富な資源をもとに開発が加速する地熱発電」より作成