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(注3):2018年9月6日北海道東部胆振地震により日本で初めてとなる北海道エリア全域に及ぶブラックアウトが発生しました。
(注4):「慣性力の減少と停電リスク」(25ページ)参照

2-1 火力発電の仕組み

汽力発電

ボイラーで重油やLNG(液化天然ガス)、石炭などを燃やした熱で高温・高圧の蒸気をつくります。この蒸気を使って蒸気タービンと、タービンにつないだ発電機を回し発電します。 タービンを回した後の蒸気は復水器で冷却され水に戻り、ボイラーへ送られ、再び蒸気となってタービンを回すために使われます。

画像:汽力発電

ガスタービン発電

空気圧縮機で圧縮空気を作り、燃焼器で燃料(不純物の少ない天然ガス、軽油、灯油など)を燃焼させ、発生した高温・高圧の燃焼ガスを直接ガスタービンに吹き付けて発電する方式です。 小型で高出力が得られ、起動時間が短いなどの特徴があり、非常用電源としても使用されています。

画像:ガスタービン発電

コンバインドサイクル発電(GTCC)

ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた発電方式です。最初に圧縮空気の中で燃料を燃やした燃焼ガスでガスタービンを回して発電を行います。ガスタービンを回し終えた排ガスは、まだ十分な余熱があるため、排熱回収ボイラーで蒸気を作り蒸気タービンを駆動させます。ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせることにより、発電端熱効率が高く、最新鋭発電所では60%を超えています。

画像:コンバインドサイクル発電(GTCC)

出典:四国電力株式会社ホームページ「電気の作り方 火力発電」を基に作成

2-2 火力発電の見通し

国の方針では、脱炭素の世界的な潮流の中、再エネなどの非化石電源の導入状況も踏まえながら、安定供給確保を大前提に、火力発電の比率をできる限り引き下げていくことを基本としています。

その際、電力の安定供給や、再エネの出力変動を補う調整力・供給力として必要であり、過度な退出を抑制するなど安定供給を大前提に進めていくこととしています。

また、2050年カーボンニュートラルに向けて、従来型の化石燃料を利用した火力発電が果たしてきた機能を脱炭素型電源に置き換えていくことが必要であり、このため、火力発電の脱炭素化への取組みを加速度的に促進することとしています。

画像:火力の脱炭素化に向けたイメージ

出典:資源エネルギー庁ホームページ「2030年度におけるエネルギー需給の見通し(関連資料)」より作成

コラム

火力発電の脱炭素化

画像:水素・アンモニア製造・混焼

水素発電

  • 燃焼速度が比較的近いガス火力発電での利用が期待されている。
  • 水素の燃焼速度が速く、燃焼を制御する技術開発が必要。
  • 液化水素の場合、脆化や極低温環境に耐える材質が必要。

アンモニア発電

  • 燃焼速度が石炭に近く、石炭火力での利用に適している。
  • マイナス33℃(常圧)で液化可能であり、輸送・貯蔵のコスト抑制が可能。
  • 混焼率向上、専焼化に向けては、窒素酸化物(NOX)抑制技術などの技術開発が必要。

出典:九州電力株式会社ホームページ「九電グループカーボンニュートラルビジョン2050」

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