3. 放射線・放射能・放射性物質とは?

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3-1 放射性物質と放射能、放射線の違いは?

画像:放射性物質と放射能、放射線の違い

環境省ホームページ:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(令和4年度版)」を基に作成
https://www.env.go.jp/chemi/rhm/r4kisoshiryo/r4kiso-01-01-01.html

3-2 放射線はどこから生まれるの?

画像:放射線はどこから生まれるの?

画像:放射線はどこから生まれるの?

画像:放射線はどこから生まれるの?

環境省ホームページ:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(令和4年度版)」を基に作成
https://www.env.go.jp/chemi/rhm/r4kisoshiryo/r4kiso-01-03-01.html

コラム

セシウム137が放射線を出すしくみ

画像:セシウム137が放射線を出すしくみ

セシウム137の場合、中性子が過剰で不安定な状態のため、中性子のうち1個が電子を放出し、陽子に変わりバリウム137mとなります。このときに放出される電子がベータ線です。バリウム137mは、まだエネルギーが高く、不安定な状態のため、エネルギーを電磁波として放出し、放射線を出さない安定同位体のバリウム137になります。このときに放出される電磁波がガンマ線です。

(注)バリウム137mは「エネルギーの高い状態のバリウム137」を表し、同じ種類の原子でも違う構造をしているため、バリウム137に「m(metastable、メタステーブル)」を付けて区別します。

出典:東京工業大学 松本義久氏 資料より作成
原子力文化財団ホームページ:「原子力総合パンフレット2022」を基に作成
https://www.jaero.or.jp/sogo/detail/cat-03-02.html

3-3 放射線の単位は?

壊変と放射線

壊変と放射線

放射能の強さや、放射線を受けた物資が吸収するエネルギー量、放射線を受けた人体への影響など、調べる目的に合わせて使われる単位にはいくつかの種類があります。

画像:壊変と放射線

ベクレル(Bq:Becquerel)

放射性物質が放射線を出す能力(放射能)の大きさを表す単位。
1ベクレルとは、1秒間に一つの原子核が壊変(崩壊)(注)することを表します。例えば、370ベクレルの放射性カリウムは、毎秒370個の原子核が壊変して放射線を出してカルシウムに変わります。

(注)壊変(崩壊)とは原子核が放射線を出して別の原子核に変わる現象のことです。

グレイ(Gy:Gray)

放射線のエネルギーが物質や人体の組織に吸収された量を表す単位。
放射線が物質や人体に当たると、もっているエネルギーを物質に与えます。1グレイとは、1キログラムの物質が放射線により1ジュール(注)のエネルギーを受けることを表します。

(注)ジュール:エネルギーの大きさを表す単位

シーベルト(Sv:Sievert)

放射線の種類や強さを考慮して、私たちの体が放射線によってどれだけ影響を受けるかを表す単位。
放射線を安全に管理するための指標として用いられます。

文部科学書ホームページ:「中学生・高校生のための放射線副読本」を基に作成
https://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/sonota/attach/1314159.htm

3-4 放射線の種類は? その性質は?

放射線の種類と透過力

1.アルファ(α)線

原子核から放出される粒子(陽子2個・中性子2個からなるヘリウムの原子核)です。 α線は紙1枚でさえぎることができます。

2.ベータ(β)線

原子核から放出される電子です。β線は空気中では数m程度飛び、アルミニウムなどの金属板でさえぎることができます。

3.ガンマ(γ)線、エックス(X)線

γ線は不安定な状態にある原子核が、より安定な状態に移る時に発生する電磁波です。X線は、原子核の外側から発生する電磁波です。どちらも空気中を数十mから数百m飛び、密度の高い鉛などでさえぎることができます。

4.中性子線

中性子は原子核を構成する粒子の一つです。質量がほぼ同じ陽子(水素の原子核)と衝突する場合に最も効果的にエネルギーを失います。水・コンクリートのように、水素をたくさん含む物質でさえぎることができます。

画像:放射線の種類と透過力
画像:放射線は、いろいろな物質で遮ることができます。

環境省ホームページ:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(令和4年度版)」を基に作成
https://www.env.go.jp/chemi/rhm/r4kisoshiryo/r4kiso-01-03-02.html
https://www.env.go.jp/chemi/rhm/r4kisoshiryo/r4kiso-01-03-08.html

放射線の性質

放射線には、電離作用、蛍光作用、透過といった性質があり、各特性は医療や工業、農業などのさまざまな分野で応用されています。

画像:放射線の性質

原子力文化財団ホームページ:「原子力・エネルギー図面集」を基に作成
https://www.ene100.jp/zumen/6-1-4

3-5 放射能は時間とともに減っていく

(物理学的)半減期

  • 放射性物質は放射線を放出しながら、時間の経過ととも に放射線を放出しない安定した物質になっていきます。したがって、放射性物質はだんだん放射能が減っていきます。
  • 放射能が半分になる時間を「(物理学的)半減期」といいます。
  • たとえば、ヨウ素131は半減期が約8日なので、放射能は 約8日で最初の放射能の半分に、約16日で1/4に、約24日 で1/8に減少します。
画像:放射能の減り方

放射性物質と半減期

原子の種類 半減期
人工の
放射性物質
ヨウ素131(ウランの核分裂で生まれる核分裂生成物) 約8日
コバルト60(原子炉の鋼材などに中性子が当たって生まれる腐食生成物) 約5年
セシウム137(ウランの核分裂で生まれる核分裂生成物) 約30年
プルトニウム239(ウランが中性子を吸収して生まれる超ウラン元素) 約24,000年
自然界に
存在する
放射性物質
ラドン222 約4日
ラジウム226 1,600年
カリウム40 約13億年
ウラン238 約45億年

電気事業連合会ホームページ:「放射線Q&A」を基に作成
https://www.fepc.or.jp/library/pamphlet/pdf/05_housyasen_qa.pdf

生物学的半減期と実効半減期

原発事故由来の放射性物質の半減期

H-3リチウム Sr-90ストロンチウム
90
I-131ヨウ素131 Cs-134セシウム134 Cs-137セシウム137 Pu-239プルトニウム
239
出す放射線の種類 β β β, γ β, γ β, γ α, γ
生物学的半減期 10日(注1)(注2) 50年(注3) 80日(注2) 70日~100日(注4) 70日~100日(注3) 肝臓:20年(注5)
物理学的半減期 12.3年 29年 8日 2.1年 30年 24,000年
実効半減期生物学的半減期と
物理学的半減期から計算
10日 18年 7日 64日~
88日
70日~
99日
20年
蓄積する器官・臓器 全身 甲状腺 全身 全身 肝臓、骨

実効半減期は、生物学的半減期の表中に記載した蓄積する器官・組織の数値から計算。
(注1):トリチウム水、(注2):ICRP Publication 78、(注3):JAEA技術解説,2011年11月、(注4):セシウム137と同じと仮定、 (注5):ICRP Publication 48

環境省ホームページ:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(令和4年度版)」を基に作成
https://www.env.go.jp/chemi/rhm/r4kisoshiryo/r4kiso-02-02-04.html

コラム

原子力発電所で生まれる放射性物質

画像:軽水炉型原子力発電所と核分裂生成物の生成
  • 原子力発電所では、燃料の濃縮ウラン(ウラン235:3~5%、ウラン238:95~97%)に中性子を当てると、核分裂が起こります。
  • そのとき、ヨウ素131、セシウム137、ストロンチウム90などの放射性の核分裂生成物が作られます。また、ウラン238に中性子が当たると、プルトニウム239が作られます。
  • 核分裂生成物が壊変したり、中性子を捕獲して発生する放射性物質もあります。
  • 通常は、これらの生成物は燃料棒の中にとどまり、原子炉から外へは漏れ出しません。
  • 原子力施設には放射性物質を外に出さないようにする様々な仕組みがありますが、それらがすべて機能しなくなると、放射性物質が漏れ出すことになります。

環境省ホームページ:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(令和4年度版)」を基に作成
https://www.env.go.jp/chemi/rhm/r4kisoshiryo/r4kiso-02-02-03.html

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