1. 放射線を見てみよう
放射線は身の回りにあふれていますが、目には見えません。
放射線を見るためには、特殊な方法が必要です。
植物からの放射線
上の画像は、 スイセンから出ている自然放射線を写したものです。色の明るい部分は、スイセンの中に含まれるカリウム40(注)によるものです。色の明るい部分ほど放射線が多く出ています。
(注)カリウムの中には、放射線を出すカリウム40と呼ばれる物質が微量に含まれています。
上の写真は、ユリに中性子線を当てて写したもので、白い部分は、ユリの中に含まれている水を写しています。
植物がどのように水を吸収して成長するかなどの研究や、エンジン内部の燃料や潤滑油の様子など金属管内の液体の動きやなどの研究に利用されています。
文部科学書ホームページ:「放射線等に関する副読本掲載データ、中学校生徒用」
https://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/sonota/attach/1314159.htm
放射線が飛ぶ様子
- 身の回りを飛んでいる放射線は目に見えませんが、霧箱という実験装置を使うと放射線が通過した跡(飛跡)を観察できます。
- これは、雲の上の飛行機雲と同じです。飛行機雲は空の上の寒いところで過飽和になった水蒸気が、飛行機のエンジンから出てきた排気ガスなどが刺激になって小さな液体の水の粒、つまり雲になった物です。
- 霧箱中の飛跡の見え方は放射線の種類によって異なります
- アルファ(α)線の正体であるヘリウム原子核は他の放射線と比較して大きいため、太いはっきりとした飛跡を作りだします。霧箱中で見える飛跡は数cm程度です。
- ベータ(β)線の飛跡はアルファ線と比較して細く、気体分子にたびたび衝突するため、曲がりくねった飛跡となります。
- ガンマ(γ)線は直接飛跡の観測はできませんが、ガンマ線が弾き飛ばしたベータ線の飛跡を見ることができます。
文部科学省ホームページ:「中学生・高校生のための放射線副読本」を基に作成
https://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/sonota/attach/__icsFiles/file/20200306_mxt_kouhou02_02.pdf