PDF
電力関係_図面・データ集

6発電コストの試算

立地の制約などは考慮に入れず、新たな発電設備を更地に建設・運転した際のkWhあたりのコストを、一定の計算式に基づいて試算(既存の発電設備の運転コストではない)するなど、さまざまな条件を設けたうえで、機械的に算出した発電コストが試算されています。

基本費 建設費や固定資産税など
運転維持費 人件費や修繕費など
燃料費 化石燃料の価格や核燃料サイクルの費用など
社会的費用 CO2対策費や事故リスク対応費用など
政策経費 立地地域への交付金やIRR(「固定価格買取制度」の
買取価格で優遇された利潤)相当政策経費など

2030年の電源別発電コスト試算結果の構成

電源別発電コスト試算結果

グラフの値は今回検証で扱った複数のシナリオのうち、IEA 「 World Energy Outlook 2020 」の公表済政策シナリオに基づいた試算値を表示。 コジェネは、CIF価格で計算したコストを使用。

電源を電力システムに受け入れるコスト

太陽光発電や風力発電などの再エネは、自然の状況によって発電量が変動します。そのため、このような電源を大量に導入する場合には、不足分や余剰分を調整する「調整電源」を使って、需要と供給のバランスをとる必要があります。

「調整電源」である火力発電では稼働率や発電効率が低下し、揚水発電では揚水時と発電時で蓄電ロスが発生するなど、コスト増となります。

このようなコストを「電源を電力システムに受け入れるコスト(統合コスト)」として試算されています

統合コストの一部を考慮した発電コスト(仮称) 今回検証に含まない
電源別の発電コスト
  • 資本費
  • 運転維持費
  • 燃料費
  • 社会的費用(CO2対策費)
  • 政策経費
  • 土地造成費
    今後、適地の減少に伴い、山地や森林等を造成する際のコストの増加
電源を電力システムに受け入れるコスト(統合コスト)

今回の試算にあたって考慮した要素

  1. 他の調整電源(火力等)の設備利用率の低下や発電効率の低下
  2. 需要を超えた分の発電量を揚水で蓄電・放電することによる減少分や、再エネの出力抑制
  3. 追加した電源自身の設備利用率の変化
  • 電力需給の予測誤差を埋める費用
    需要量の予測誤差
    太陽光・風力の発電量の予測誤差
  • 発電設備容量の維持にかかる費用
  • ディマンド・レスポンスの効果
  • 基幹送電網につなぐ費用
    電源が基幹送電網から
    離れている場合
  • 基幹送電網の整備費用

参考:電源立地や系統制約を考慮した
「統合コストの一部を考慮した発電コスト」

青いグラフは統合コストを含まない発電コスト(「2030年の電源別発電コスト試算結果」表と同じ)、黄色の点は統合コストの一部を考慮した発電コストです。

多くの電源で、その電源を電力システムへ追加した際に電力システム全体にコストが生じます。つまり電源単体で試算した発電コストよりもコストが増えています。

統合コストの一部を考慮した発電コスト

出典:資源エネルギー庁HP「電気をつくるには、どんなコストがかかる?」より作成

 
ページの先頭へ戻る