どうする?地球温暖化

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4.国際協調

温暖化問題解決のカギ

例えば省エネに配慮した商品が毎日の生活の中で当たり前になるように、地球温暖化問題を解決するには技術革新に加えて社会的な変革が必要だと考えられています。
今後、どのように問題解決に向かっていくべきか、江守さんい伺いました。

分煙が当たり前になったように社会の常識が大きく変わる

今ではCO2を出しながらエネルギーを作るのが当たり前でしたが、これからはCO2を出さずにエネルギーを作ることが当たり前にならなければいけません。社会が大転換を起こす必要があるのです。社会変革が起こった具体例として「分煙」の話をしたいと思います。

20〜30年前、私が子どもの頃は分煙という考え方はなく、公共の場でも、乗り物の中でも、多くの人が普通にタバコを吸っていました。どこでもタバコを吸っていいことが当たり前の社会だったのです。それが今では劇的に変わり、タバコは決まったところでしか吸えないのが当たり前の社会になっています。まず最初に受動喫煙が健康を害するという科学的知見が立証され、次に「タバコはどこでも吸っていいわけがない」という倫理的な規範やマナーが社会で共有されます。科学的な認識と倫理的な規範の共有が進むと、法律や制度などが整備され、さらに分煙の飲食店が繁盛するなどの経済の流れの転換を経て、社会に受け入れられていくのです。この「分煙革命」のように、「脱炭素革命」が起きるべきだと考えます。

新しい技術も次々登場一人一人の行動が社会に影響する

地球温暖化問題の解決は、技術と社会変革の両輪があって機能するようになります。技術革新の例では、普及に伴い性能向上と低価格化が進んだ太陽光パネルがあげられます。また植物は二酸化炭素(CO2)と水から自分に必要な酸素と栄養を生み出す光合成を行いますが、これを人工的に再現する人工光合成の研究も進んでおり、空気中のCO2を回収する新しい技術として期待されています。

社会変革においては、一人一人がCO2を出さない選択をしていくことが重要です。毎日の生活の中で電気をこまめに消すなど省エネを心がけるのもいいですが、車をエコカーにする、断熱性の高い家を建てるといったもっと大きな選択もあります。一人一人ができることは少しずつでも、それが集まって社会の変化に寄与していきます。地球温暖化問題は待ったなしです。今世紀後半にCO2の排出をゼロにするためには、大きな社会変革をできる限り早く起こさねばなりません。

さまざまな意見に耳を傾けみんなで真剣に議論を

これまで人間は大量生産・大量消費・大量廃棄で豊かな生活を享受してきました。こうした時代から脱却すべきではないか、みんなが所有しなくてもシェアやリースでいいじゃないかという人もいます。一方で、ものが売れなくなると景気が悪くなって失業者がいっぱい出るかもしれない。経済的に困るじゃないかという人もいます。さらに人間は欲深い生き物なので、豊かな生活を手放したくないと考える人も現れるかもしれません。

大切なことは、それぞれに分かれて論争するのではなく、いろいろな意見を出し合って対話をすることです。さまざまな意見を認め合った上で、やはり国際社会がパリ協定で合意したように、今世紀後半には世界の温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを目指すべきです。どうすればそれが実現できるのか、みんなで真剣に議論できる時代になればいいと考えています。専門家だけでなく、ぜひ多くの人にこの問題を考えてもらいたいと思っています。

 
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