どうする?地球温暖化

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3.温暖化への対応

世界各国の適応策

地球温暖化に対応するために、世界各国ではさまざまな適応策がとられています。
国や地域によって適応策は異なりますが、いくつか具体的な事例を紹介します。

海面上昇に“備える”ロンドンのテムズ・バリア

ロンドンの中心部を流れるテムズ川は潮流の高低差が大きく、海面水位より低い土地もあります。そのため河口には1984年にテムズ・バリア(防潮堤)が設置されました。そして地球温暖化による海面上昇が懸念されることから、2012年に「洪水リスク管理計画」が策定され、今後100年間のロンドンとテムズ川河口を守るテムズ・バリア等の改修、高潮貯留域の整備、防潮堤の新設などの対策が進められています。


ため池や井戸の水源を“創る”北部ケニアの干ばつ対策

近年アフリカ東部では、地球温暖化の影響もあり、頻繁に干ばつが発生しており砂漠化が懸念されています。北部ケニアは年降雨量が200mm〜400mm程度と、農業などの活動には不向きな土地です。このような自然環境の厳しい土地で人々は、年2回の不規則な雨季の降雨によって生育するわずかの草地を利用して牧畜生活を営んできました。牧畜民が暮らす北部ケニアでは、彼ら曰く、干ばつは祖父の時代は20年に一度だったのが、父の時代は10年に一度、現在は3〜5年に一度と頻発するようになっています。

一方で未利用の牧草地も残されていますが、水源がないために家畜を連れて行くことができません。そこでJICA(独立行政法人国際協力機構)の支援により未利用の牧草地周辺にため池や井戸などの水源施設を設置する事業を行いました。水源整備により牧草資源を有効活用できるようになりました。

二酸化炭素(CO2)をたくさん吸収するインド・デリーの冬小麦

国立環境研究所と気象庁気象研究所は、2005年から日本航空の旅客機を利用した温室効果ガス観測プロジェクトを展開中。この研究でインド上空で観測されたCO2濃度データを解析したところ、デリー周辺のCO2濃度が特殊な季節変動をしていることが判明。冬から初春にかけて、非常に低い濃度となっています。

この理由はインド北部で冬季に栽培される作物(主に冬小麦)によって、大量のCO2が吸収されたからだと考えられます。冬小麦等による吸収量は、この時期にデリー周辺から排出される人為起源のCO2の2倍ほどにもなると見積もられており、農業の影響が地球上の炭素循環を理解する上で重要であることを示しています。このように観測拠点のない地域でも旅客機で良質なデータが得られ、世界の炭素循環の理解が大きく進むものと期待されています。

 
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