九州エネルギー問題懇話会トップページ特集「カーボンニュートラルって何?」(10/18)カーボンニュートラルの実現に向けて (1)電力分野
(1)電力分野
※:安全性(Safety)、自給率(Energy Security)、経済効率性(Economic Efficiency)、環境適合(Environment)の頭文字で、日本のエネルギー政策における基本的な考え方
「固定価格買取制度(FIT)」が2012年に導入されて以降、再エネの設備容量は急速に伸びていますが、その一方でFITによる再エネ買取費用は拡大を続けています。その買取費用は「賦課金」として私たち利用者が負担しています。
競争力ある電源※への成長が見込まれるものは、欧州等と同様、電力市場と連動したFIP制度へ移行し、再エネの最大限の導入と国民負担の抑制の両立を図るべく、コスト効率的な導入拡大が進められています。
※対象電源やタイミングについては、導入状況等を踏まえ、調達価格等算定委員会で審議して、経済産業大臣が決定
連系線などの基幹系統の増強や、再エネが石炭火力等より優先的に系統を利用できるような系統利用ルールの見直しなどの取組みがなされています。
FIT制度の導入を契機として、太陽光発電を中心に規模や属性も異なる様々な事業者による参入が急速に拡大してきましたが、安全面、防災面、景観や環境への影響、将来の廃棄等に対する地域の懸念は依然として存在しています。こうした懸念を払拭し、責任ある長期安定的な事業運営が確保される環境を更に構築することが課題と考えられます。
電気を安定して使うには、常に発電量(供給)と消費量(需要)を同じにする必要があります。
発電量と消費量のバランスが崩れると、周波数が変動し大規模停電が発生する可能性があります。
太陽光など自然環境に左右されるエネルギーは発電量をコントロールできません。
そのため、電力の需要に合わせて、火力発電などで、発電量と消費量のバランスをとる必要があります。
出典:資源エネルギー庁HP「第70回調達価格等算定委員会資料」、「日本のエネルギー2020 エネルギーの今を知る10の質問」、
経済産業省HP「今年の自然災害による再エネ発電設備の被害について」(令和2年11月4日)などより作成