講師コラム「エネルギーの明日」

エネルギー・環境問題の専門家に、毎回、様々な角度からエネルギーの視野を広げるお話を伺います。

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Vol.15 電気エネルギーの可能性

宮崎大学 工学部電気システム工学科 教授
迫田 達也 氏

私たちの生活に最も身近なエネルギーである電気エネルギー。電気は経済活動や市民生活に欠かせない空気のような存在ですが、その利便性や有効性を認識している人は少ないかもしれません。今回は電気工学を専門とする宮崎大学工学部教授の迫田達也氏に、電気エネルギーの特性と将来へ向けた活用についてお話を伺いました。あわせて経年劣化が心配される電気設備の保守管理の問題もお聞きしています。

迫田 達也 氏

電気エネルギーはエネルギー分野の万能選手

電気エネルギーの最大の特性は、他の様々なエネルギーに簡単に形を変えることができる利便性です。実際に私たちは、電気エネルギーをモーターで運動エネルギーに変換したり、電熱線で熱エネルギーに変換したり、照明器具で光エネルギーに変換したりして利用しています。このように他のエネルギーに変換しやすく汎用性が高いことが、多様な分野で電気エネルギーが活用されている理由のひとつです。

また、発電の仕組みはとても簡単です。磁石のN極とS極の間でコイルを動かすことで電気が発生します。小学校でも手回し発電機などで電気を作る実験が行われています。発電所でも発電の仕組みは同じですが、コイルを回す動力を人の力ではなく蒸気・水・風などの力を使って、たくさんの電気を作っています。

電気そのものが私たちの目に触れることはありません。しかし私たちの生活のいろいろな場面で大きな役割を果たしているのです。電気はどこからやってきて、どうやって家庭や工場まで届けられているのか、改めて考えてみることも重要です。

電気エネルギーは万能選手

 
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