講師コラム「エネルギーの明日」

エネルギー・環境問題の専門家に、毎回、様々な角度からエネルギーの視野を広げるお話を伺います。

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Vol.9 環境分析とエネルギー

一般財団法人 九州環境管理協会
調査分析部 環境分析課 課長

天日 美薫(てんにち よしか)氏

地球環境は人間の活動によって大きな影響を受けており、エネルギーに関する問題も例外ではありません。環境について正しく知るためには、計測により具体的に数値化する環境分析という手法が必要です。九州環境管理協会で環境分析の仕事にあたる天日美薫氏に、環境分析という仕事の重要性、また環境問題とエネルギーの今後についてお話を伺いました。

天日美薫氏

快適に暮らすための環境分析という仕事

私が勤めている九州環境管理協会は、計量証明事業所として環境に関する調査分析を行っています。環境をはじめ、私たちの身のまわりのものには法律で決められた基準があり、それを満たしているかどうかを数値として計って証明するのが私たちの仕事です。例えば水道水には安心して飲用するための水質基準が51項目設定されており、定期的に分析計量して問題がないかどうかを調べています。ほかにも工場からの排水、排ガス、産業廃棄物などや、自然界の河川や海水、土壌なども調査分析の対象です。

水、大気、土壌などの環境汚染は、目に見えにくいという課題があります。水や大気であれば色や臭いで変化を感じることもありますが、土壌になると見ただけではほとんど判断できません。有害物質が含まれていないかどうかの正確な分析が欠かせないのです。

九州環境管理協会は、高度経済成長によって各地で公害が問題化した時代に設立されました。その後、各種の環境基準が設定され、環境分析の仕事も重要性を増していきました。分析することによって環境を保全し、人々が快適に暮らせるよう社会を支えるのが私たちの仕事です。

※計量証明事業:物象の状態の量(長さ、質量、面積、体積、濃度など)を計り、その数値が真実であることを公に又は業務上他人に対して表明する事業のこと。

 
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