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Vol.8 原子力の安全性と人材育成

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福島の経験で厳しくなった安全基準

東日本大震災で起こった福島の原子力発電所での事故は、私にとっても大変ショックな出来事でした。それまでは、日本の原子力発電所は安全性が高いので、当然、福島のような過酷事故は起こらないと思っていました。しかし実際には起こってしまった。この現実と真摯に向き合い、あのような事故を起こしてはいけないとの思いを新たにしました。

福島の事故では何が足りなかったのか、それを補うためにはどういう仕組みや技術が必要なのか。福島の事故前後で世の中の仕組みも変わり、原子力の安全基準は大きく変わりました。例えば、それまで事業者の自主的取組みに任されていた過酷事故への対応が、国によってルール化され、安全審査の対象となっています。また、原子力発電所を運用するための保安規定も相当強化されています。

現在、日本の安全基準は世界で最も厳しいといわれています。原子力発電所の再稼働に時間がかかっているのもこのためだと思われます。この規制の要求を一つひとつクリアすることで確実に安全性は高まっていると思います。

原子力発電所の新規制基準

 
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